茨城県筑西市の塗装会社、ライズペイントです!
今回の記事では、お住まいになっている住宅のべランダやバルコニーの防水層のメンテナンスや、改修工事のご検討に役立つ各種防水工事におけるメリットとデメリットを解説、ご紹介していきたいと思います。
まず、ベランダ防水とは、ベランダの床を防水性のある素材で覆い、防水性を高める工事のことです。
一般的な家のベランダはコンクリートや木材で出来ており、そのままでは家に雨水などが染み込むため、表面が防水層で覆われています。
ベランダ防水がなぜ必要かと言いますと、ベランダの防水層は、月日の経過と共に、少しずつ劣化していくからです。
ベランダの防水性が劣化してくると、雨がベランダ本体のコンクリートや木に染み込んで、ベランダに接している壁や天井から雨漏りに発展してしまいます。
それを防ぐため、劣化がはじまる前に、防水工事のやり直しを行う必要があります。
各種防水工事の種類におけるメリットとデメリットを、防水工事施工の前情報として、ご参考にして頂ければ幸いです。
ベランダやバルコニーに各種防水工事が必要なタイミングと現象
まず、べランダやバルコニーの各種防水工事の種類におけるメリットとデメリットをご説明する前に、ベランダ防水の各種工事が必要かどうかを、施主様ご自身が正しく把握しましょう。劣化症状をきちんと把握することで、適切な修理方法、ベランダ防水工事の大まかな必要な費用が分かります。
リフォーム業者に防水工事が必要と言われ、ベランダの防水工事を考えるようになった方もいらっしゃると思いますが、リフォーム会社によっては営業トークとして言っているだけかもしれないので、施主様がベランダの劣化症状を正確に把握して、適正工事を理解しておく必要があります。
ベランダ防水の各種工事が必要かどうかは、見た目の症状で判断できます。
具体的にベランダの劣化具合を、症状が軽いものの順に確認してみましょう。
1.苔の発生
だいたいの事案の多くは清掃で解決できますので、防水工事の再施工は、とりあえずまだ必要はないと思われます。
2.排水口(ドレン)の詰まり
排水口(ドレン)の詰まりも、清掃でほとんど解決しますので、こちらも防水工事の再施工は必要ないと思います。
ただ、清掃をしても問題が解消しなかったり、清掃した床面にヒビや傷などが見つかった場合は、再施工を検討してください。
3.ベランダ表面の色あせ
ベランダの表面が傷み始めてはいますが、防水層にまでは達していません。
劣化が防水層に達する前に、表面のトップコートを塗り直す作業が必要です。
また、外見上異常がなくても、新築、もしくは前回のメンテナンスから5~10年経っていれば、トップコートの塗り替えを行う時期が来ています。
4.小さなヒビ
小さなヒビが入っている場合は、劣化がベランダの表面でとどまっている場合と、防水層にまで達している場合、共に考えられます。
ヘアークラック(髪の毛程度のひび割れ)のような場合は、それほど心配する必要はありませんが、早めに業者による点検を受け、トップコートの塗り直しか防水工事の再施工を行ってください。
5.大きなヒビ割れ・剥がれ
目立つヒビや剥がれをそのまま放置すると、家の躯体にまで水がしみ込み、腐り始めてしまう可能性があります。
補修の目安としては、ヒビ割れの幅が0.3mm以上あると、補修が必要と専門家は判断します。
ヒビ割れだけ直しても根本的な解決はできないため、より大規模な修理が必要になる前に、早めにベランダ修理業者による再防水工事をおすすめします。
6.ベランダに雑草や藻が発生
根っこがベランダの防水層に達しており、このまま放置すると屋上やベランダが傷み、雨漏りの原因となるため、工事のやり直しが必要な可能性が高い状態です。
自分では抜かず、防水工事業者による再防水工事をおすすめします。
7.天井や壁に雨染み・雨漏り
ひび割れが原因で漏水してしまっている場合、ベランダの底に雨染みが見られるとこがあります。
雨染みは、これまで見てきたヒビ割れや剥がれなどの劣化症状が雨漏りに発展しているサインなので、早急に補修工事をする必要があります。
ベランダに接した天井や壁で既に雨漏りが起こっている場合、ベランダの防水効果はほぼ失われ、家の内部に雨水が流れ込み続けている可能性が高いので、雨漏り修理業者や防水工事業者に大至急連絡をとることをオススメします。
トップコート施工の特長やメリット・デメリット
ベランダやバルコニーの、防水工事の仕上げの工程で使用する、防水層をさらにコーティングする途料は、トップコートという防水材が塗られています。防水層の1番上(トップ)に、塗装される防水塗材になります。普段目にする、グレーや緑の床面は、防水層そのものではなく、このトップコートなのです。
トップコート塗料の効果には、雨水や紫外線からベランダやバルコニーの防水層を保護して摩耗を防ぎ、防水層の劣化の進行を遅らせる効果があります。
トップコート塗料の種類には、遮熱効果や滑り止めの効果を持つトップコート等もありますが、あくまでもトップコート塗料は、べランダやバルコニーの防水層の防水面の保護の為のものなので、雨水や紫外線を浴び続ける事で経年劣化していき、保護効果が薄まっていきます。
防水面を長持ちさせるには、内部の防水層が傷む前に、トップコート塗料の塗り替えを4〜5年に1回(どんなに長くても10年以内)のメンテナンスをする事により、ベランダやバルコニーの、防水層の耐久年数を長く持たせる事が出来ます。
トップコートメンテナンス施工のメリット
①べランダやバルコニーの防水面のトップコートの塗り替えの最大の利点は、費用が安く済むと言う事です。ちなみにトップコートは、DIYで自分で塗りかえることができます。 その場合は塗料や道具を含めて1万円台でメンテナンスが可能です。
もし、業者に依頼した場合でもそこまで高額ではなく比較的安く、3~5万円くらいが目安です(標準的な10㎡前後のベランダの場合)。
②べランダやバルコニーは、こまめなメンテナンスを4年〜5年に1回すれば、防水層を長期間保護する事が出来るので、改修工事を本格的に施工する時期を先延ばしにする事が出来ます。
③本格的なベランダやバルコニーの防水層のリフォーム改修工事に比べると、費用の方が3分の1〜半額程度の金額で施工する事が出来ます。
トップコートメンテナンス施工のデメリット
劣化症状が進んでいる場合はNG。
トップコートメンテナンスの目的は、あくまでもべランダやバルコニーの防水層の表面を保護する、異常が起こる前のメンテナンス作業です。
ベランダやバルコニーの床が軽い傷程度ならば問題ありませんが、劣化症状が防水層自体にヒビ割れや剥がれ以外にも目立つ破損個所が出ている場合には、トップコートメンテナンスの処理だけでは対処しきれません。
内部の防水層ですでに劣化が進んでしまっている場合、表面のコーティングをしても劣化進行は止まらず、防水層を直しているわけではないので、防水層自体の本格的な改修工事を施工する必要があります。
FRP防水施工の特長やメリット・デメリット
FRP(繊維強化プラスチック)を使用した防水工事の事をFRP防水と呼び、FRPとは「fiber reinforced plastics」の略で、材料の名称です。外見は、白い繊維を織ったような形状です。
FRP防水とは、液体状の不飽和ポリエステル樹脂に硬化剤を混合して、ガラス繊維の補強材のシートに組み合わせ塗布する施工方法の事です。
合板やモルタル等で作られた既存の床面に、FRPのシートを敷いて、その上に不飽和ポリエステル樹脂と硬化剤を混合させた樹脂を塗布して硬化させ、防水層を形成する施工法になり、硬化後には、プラスチックの様な硬い床面に仕上がります。
FRP防水は、メンテナンス頻度・費用ともに多めですが、ベランダの使い勝手が良いのが魅力です。
FRP防水層の、歩き回っても剥がれにくく、重いものを置いても耐えられる性質は、軽さと強度の両立が重視される場合に向いており、洗濯物干しなど、ベランダを活用する家庭ほど重宝される事でしょう。
また、ベランダやバルコニーの防水材としてだけではなく、高い耐久性を持つことから、自動車やボート・浄化槽やバスタブなどにも使用されています。
FRP防水の施工単価は、だいたい9,750~1万3,650円/㎡で、平均的な10㎡のベランダの広さで約10~14万円が相場です。
耐用年数は約10年なので、1年あたりのコストは1万~1万4,000円で高めになります。
FRP防水は、多くは新築の木造住宅のべランダやバルコニーの防水工事によく施工されている防水層の施工方法で、防水工事の中でも下記の様なメリットがあります。
FRP防水施工のメリット
①1㎡辺り4kg前後で他の防水層に比べて軽量な為、住宅の構造躯体への負担が減少される。
②強度が高く、耐荷重性・耐摩耗性にも優れているので、歩き回っても傷みにくく、べランダやバルコニーが硬くて丈夫な仕上がりに施工できる。
③比較的、施工に掛かる乾燥時間が早いので、1~2日の短い工期で防水工事が完了する。
④FRPと樹脂で防水層が形成される為、高い防水効果が期待できる。
⑤べランダやバルコニーの垂直な面や複雑な形状の部分にも施工が可能。
⑥べランダやバルコニーの防水層の、部分補修を容易に施工する事が出来る。
FRP防水施工のデメリット
①紫外線に対する耐久性に弱く、経年劣化の過程で、べランダやバルコニーの防水面に、ヒビ割れを起こしやすい可能性がある。
②紫外線に対する耐久性が弱いため、防壁となるトップコートの維持が重要で、最低でも5年に一度のトップコートを塗り替える必要があるため、他の工法よりメンテナンス頻度が多い。
③施工費用が他のべランダやバルコニーの防水工事施工費と比べて、やや高めの費用になる。
④塗膜が硬く、丈夫な代わりに伸縮性が無いので、広範囲に施工すると防水層の既存の下地が収縮する事により、防水層にヒビ割れが発生しやすくなる。
⑤FRP防水工事施工中に使用する材料は、通常の溶剤よりも強いので、独特で強烈な臭いがする。
⑥防火地域の屋根や、ベランダやバルコニー等に施工される際には、防水材にも防火性能を求められるので、大臣認定を取得した物の使用を求められる。
⑦木製の広いベランダ・金属製ベランダには不向き(熱による伸縮が大きく、FRPとの接着も悪い金属の床面には施工できない)。
ウレタン防水施工の特長やメリット・デメリット
ウレタン防水とは、ベランダやバルコニーの床面に液体状のウレタン樹脂塗料を重ね塗りして、防水層を形成する施工方法です。
塗布するウレタン樹脂塗料が硬化する事で、弾力性のあるゴム状の防水膜になり、防水層を形成します。
ウレタン防水なら、床面に複雑な形状の凹凸や突起物がある、シートの施工ができないほど狭い部分がある、などの場合でも、ジョイント部などを作る事なく、床の形状・素材・面積を一番問わず施工でき、見た目も継ぎ目がなく美しい完全な1枚の形状の防水膜を作り出す事が出来ます。
他の工法ですと、床の素材との相性が悪かったり、狭くて素材がうまく張れない場合などがありますが、ウレタン防水ならばその心配はありません。
防水工事施工業者ばかりではなく、外壁塗装工事施工業者でも施工される業者はありますので、ご依頼になった事のある各種防水工事の施工業者に相談するのも良いかと思います。
ウレタン防水の施工単価は、だいたい8,900~1万2,460円/㎡で、平均的な10㎡のベランダで約9~13万円が相場です。
耐用年数は約10年なので、1年あたりのコストは約9,000~1万3,000円で、シート防水の次に安価になります。
ウレタン防水施工のメリット
①1枚の形状の完全な防水膜が形成されるので、見た目の継ぎ目もなく、べランダやバルコニーの防水面は綺麗に仕上がり、且つ防水性も高い。
液体を塗り拡げる工事のため、ベランダの素材・形状・面積をもっとも問わないのが特徴です。
他の方法では、床の素材との相性が悪かったり、狭くて素材がうまく張れない場合などがありますが、ウレタン防水ならばその心配はありません。
②柔軟性に優れているので、ベランダやバルコニーの、どの様な既存の下地にも施工が可能なので、改修工事を施工される場合にも、既存の下地をそのまま利用できます。
③膨れの原因になる水分が、ベランダやバルコニーの防水層の既存の下地に含まれている可能性がある場合には、通気緩衝(つうきかんしょう)工法を施工する事で、蒸気化した水分を外部に逃がす事が出来ます。
※ベランダやバルコニーの防水工事施工における通気緩衝工法とは、既存のコンクリートの下地と、防水層の間から水分を逃がす隙間がないために、防水層の表面に膨れが出来るのを解消する為に、通気緩衝シートと脱気塔を設けて蒸気を逃がす施工法の事です。
ウレタン防水施工のデメリット
①ウレタン防水は、一見取り扱いやすく思えますが、(塗膜の薄くなった箇所は、紫外線や雨水での劣化が早くなる)手作業で行われるので、適切な厚みで均一にムラの無い様にウレタン樹脂を塗り広げるには、高度な技術力が必要で、プロでも気を使う作業なので、経験豊富な職人に依頼することが不可欠です。施工業者の技術がないと取り扱いが難しく、DIYをすると、本来の防水効果を発揮出来ない可能性が出て来ます。
②既存の下地が、気温の変化や地震の揺れ等に伴う収縮に、ベランダやバルコニーの防水層が追従しきれず、亀裂や破れ等が発生する。
③ウレタン防水では、乾燥にひと晩かかる防水材を複数回塗り重ねるため、他の工法に比べて工期が長めになる事が多くなります。
家庭のベランダであれば3~7日、屋上などの広い場所ならば5~10日の長めの工期を見積もっておく必要があります。
シート防水施工の特長とメリット・デメリット
シート防水に使用するシートの厚さは、1〜2m程の塩化ビニールの防水シート材や、ゴムシートの防水シート材を防水面に貼り付け、防水層を形成すると言う防水工事の施工方法の事で、コスパ面でも維持費用を含め、総合的に非常にメリットのある施工法になります。
ベランダやバルコニーの防水工事の中でも、施工費用が低価格で出来るので、床面積が広いベランダやバルコニーの施工に適していています。
シート防水工事に、使用する防水シート材は、シート防水工事専用に生産されたシート材を使用して施工するので、ベランダやバルコニーの防水層の厚みも均一に仕上がる為、シート防水の防水性も高く、床面積の広いベランダやバルコニーにオススメの施工方法と言えます。
シート防水の施工単価は、だいたい8,400~1万1,760円/㎡で、平均的な10㎡のベランダで8万5,000~12万円が相場です。
耐用年数は13年と、FRP防水とウレタン防水の2つより長めで、1年あたりのコストは約6,500~9,200円と初期費用がもっとも安く、耐用年数も最長なため、コストパフォーマンスでも最良となります。
ここでは、ベランダやバルコニーの防水工事の、シート防水に主に使用される塩化ビニールシートを使用した場合と、ゴムシートを使用して施工した場合のメリットとデメリットについて、ご紹介していきたいと思います。
塩化ビニールシートを使用した場合のメリット
塩化ビニールシート防水施工のメリット
①紫外線や熱に耐久性があるため、FRP防水やウレタン防水よりも、日差しがよく当たるベランダに向いている。
②優れた耐候性と耐摩耗性がある。
③均一な厚みの仕上がりに施工する事が出来る。
④原則トップコートを塗る必要がないので、他の防水工法では5~10年おきのトップコートの塗り替えの手間と費用が不要。
塩化ビニールシート防水施工のデメリット
①平らな床面にしか施工ができないため、 凹凸がある既存の下地や複雑な形状のベランダやバルコニーへの施工には適していない。
②シート材のジョイント部分の施工が難しいので、ジョイント部分の処理に不具合があると、本来の防水効果を発揮しない。
③塩化ビニールは、寿命が近づくと途端にもろくなりはじめる素材なので、経年劣化が進み、寿命が近くなると防水層の表面がヒビ割れしやすくなるため、耐用年数の約15年おきに再工事が必要となる。
④業者の熟練が必要。
ゴムシート使用した場合のメリット
ゴムシート防水施工のメリット
①施工が低価格で出来る。
②伸縮性に優れているので、地震などの揺れや衝撃があった場合でも、ベランダやバルコニーの防水層が、ヒビ割れる可能性が少ない。
③温度変化に耐久性があり、高温になった場合でも、防水面が変形したり溶けたりする事がない。
ゴムシート防水施工のデメリット
①施工する床面に凹凸が多いと防水工事を施工する事が出来ない。
②紫外線による劣化には耐久性がない。
③塩化ビニールシートに比べると厚みが無いので衝撃に弱い。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
本記事でベランダやバルコニーの防水工事施工の前に、知っておきたい各種防水工事におけるメリット・デメリットについて、ご理解いただけたかと思います。
ベランダ・バルコニーの防水工事は劣化症状によって施工方法が異なり、業者によっても提案が分かれる工事です。もしかしたら、この記事を読まれている方の中に「施工業者によって言ってることが違う」「どの業者の提案を信じれば良いの?」と疑問に感じる方も多いかと思います。
そこで、必ず複数の業者から相見積もりを取ることが、ベランダ防水工事には特に必要だと思います。
相見積もりは「工事の見積もり金額」を比べるために取るもの、というイメージがあると思いますが、「工事の質」「業者の質」を比べられることも大きなメリットだと思います。
業者を決める前に、できれば1社、2社ではなく、最低3~4社から相見積もりを取ることをオススメします。
以上、本記事が施主様のご自宅のベランダ防水の検討に役立てていただければ、大変幸いです。