皆様こんにちは!茨城県筑西市の塗装会社、ライズペイントです!
外壁・屋根塗装をする際、最近では塗装業者から『無機塗料』を薦められたという人が増えてきています。
しかし『無機塗料』と言ってもシリコン塗料やフッ素塗料などと比べるとまだまだ馴染みの薄い塗料ですから、
どんなものか分からないという人も多いのではないでしょうか?
無機塗料はほかの塗料に比べて、耐候性と耐用年数が非常に優れた最高ランクの塗料です。
現在、多くの戸建ての外壁塗装に使用されています。
そこで今回は次世代塗料として2006年ごろから出てきた新しい塗料『無機塗料』についてご紹介したいと思います!
外壁塗装を無機塗料を使用して施工するかお悩みの方は是非参考にしてくださいね。
無機塗料とは?
ではまず、塗料とは「顔料」「樹脂」「添加剤」「水または有機溶剤」で構成されているのはご存知でしょうか?
塗料は塗膜成分と揮発成分に分かれます。
塗膜成分とは顔料(色彩など)、樹脂(保護機能)、添加剤(特殊機能など)から
構成されています。
そして揮発成分とは水または有機溶剤のことです。
この中の「樹脂」の主成分が”無機物”の塗料を『無機塗料』、”有機物”の塗料を
『有機塗料』と言います。
では”無機物”・”有機物”とは何が違うのでしょうか?
簡単に言うと、有機物は炭素を含む物質のことで、紫外線によって分解されるため、有機物の塗料はどうしても退色や変色などの劣化症状を避けられません。
一般的な塗料として知られているシリコン塗料やフッ素塗料、アクリル塗料が有機塗料のことです。
逆に無機物は紫外線で分解されない性質のもの、ガラスや陶器、石などから出来ています。
そのため、無機塗料には劣化の原因となる樹脂成分がほとんど含まれていないため、紫外線や雨風に長年さらされても多少劣化するくらいで、
有機塗料のようにボロボロになったり腐食したりすることはありません。
しかし無機塗料は鉱物などを原料とする無機物だけでは硬すぎて塗料としての粘着性を持たせることが難しいことから、多少なりとも有機物を
配合させて作られています。
ここで注意して頂きたいのは無機塗料と言っても無機物と有機物の割合に明確な決まりがないことです。
そのため、質の悪い無機塗料を選んでしまうと同じ『無機塗料』でも性質や耐用年数に差が出てきてしまいます。
詳しくは後述をご覧ください。
無機塗料の特徴
では次に無機塗料の特徴にはどんな点があるのでしょうか。
他の塗料と比較しながらメリット・デメリットをご紹介したいと思います。
メリット
まずは無機塗料のメリットについてです。
1.耐候性が高い
無機塗料の最大メリットは何と言っても耐候性(紫外線や雨風に対する強さ)の高さです。
イメージしてもらいたいのは石や岩など鉱物は何十年、何百年と外にあっても
ボロボロになりませんよね?
前述でお伝えしたように、無機塗料は樹脂成分が石や岩などの無機物のため、
紫外線での劣化が少なく耐用年数は20~25年とこれまでの塗料よりもはるかに長く綺麗な外壁を保つ事が出来ます。
2.汚れが付きにくく、落ちやすい
無機塗料の表面は汚れが付きにくく、仮に汚れが付いても親水性のため雨水で流れ落ちやすい性質があります。
この性質はご自宅の窓ガラスをイメージしていただくと分かる通り、ツルツルとした表面の窓ガラスの表面には汚れが付きにくく、付いたとしても多くの汚れは簡単に水で洗い流せます。
また、静電気が発生しにくいので、ホコリや花粉などのゴミの付着も防いでくれます。
3.コケ・カビが繁殖しにくい
無機塗料は上記の通り、親水性であることから、汚れだけでなくコケ・カビの菌や
胞子も付きにくく、付いたとしても水で洗い流せます。
また、無機塗料にはコケやカビの繁殖の栄養となる有機物の含有量が少ないため、
コケやカビの発生がしにくいのです。
コケやカビは建物の美観を損ねたり、根を張ることにより建物自体を傷めてしまいます。
特に通気性や日当たりが悪い場所や既に外壁のコケやカビに悩んでいる方は無機塗料を使うことによって、見た目も建物自体も綺麗に保つ事が出来ます。
4.燃えにくい
無機塗料は鉱物やガラスなどの無機物(不燃性のもの)を主成分としているため非常に火に強く、燃えにくいという特徴があります。
しかし、有機物も含んでいるため、全く燃えないというわけではないですが、有機塗料と比べると非常に燃えにくいです。
そのため、万が一の火事の際でも燃えにくいというメリットがあります。
デメリット
前項で非常に優れた無機塗料のメリットをご紹介しましたが、もちろん万能という訳ではなく、逆にデリットも存在します。
次はデメリットのご紹介です。
無機塗料での塗装をお考えの方はデメリットも考慮してから選ぶと良いでしょう。
1.価格が高い
表の通り、そこまで高く見えなくても施工全体だと数万~数十万円の差になって
しまいます。
ので、長い目で見るとそこまで変わらない、もしくは足場の仮設費用を減らせる
ことを考えると、もしかしたら逆に安くなるかもしれません!!
塗料 | 単価相場(/㎡) | 耐用年数 |
---|---|---|
アクリル | 1,000~1,800円 | 3~8年 |
ウレタン | 1,500~2,500円 | 5~10年 |
シリコン | 1,800~3,500円 | 8~15年 |
フッ素 | 3,000~5,000円 | 12~20年 |
無機 | 4,300~5,500円 | 20~25年 |
2.ひび割れしやすい
無機塗料は主成分が無機物のため、無機塗料でできた塗膜はひび割れしやすいです。
そのため、外壁表面にひびが入ってしまうと無機塗料の塗膜も一緒にひび割れを起こしてしまう可能性が高いです。
もしひび割れが気になる場合は弾性力の高い無機塗料を使うことをおすすめします。
3.職人の腕に左右される
無機塗料を選ぶ際の注意点
さて、ここまでで無機塗料の特徴をお話してきましたが、次は無機塗料を選ぶ際の注意点をご紹介したいと思います。
①同じ無機塗料でも質の幅がある
前述したようにひと口に無機塗料と言っても、100%無機物でできているわけではありません。
「無機物が何%含まれていたら無機塗料」という明確な定義が決まっていないため、無機塗料の無機成分の配合率は製品によって違いがあります。
無機成分の配合率が高いものでも、そうでないものでも無機塗料として扱われるため、極端な話、シリコン系塗料にほんの数%無機成分を
配合しただけでも、『無機塗料』と表記できてしまうのです。
そのため、同じ『無機塗料』と呼ばれているものでも、どのくらいの有機物が含まれているかによって性能は変わってきてしまうので、
注意が必要です。
また、業者オリジナル塗料など正確な特徴を公開していない高価な塗料にはリスクがあるので、気を付けましょう。
質の良い無機塗料を選ぶためには、実績のある大手塗料メーカーのカタログできちんとした試験結果を確認することをおすすめします。
②木材にはおすすめできない
基本的に無機塗料は木材の外壁塗装にはおすすめできません。
無機塗料は硬い塗膜のため、収縮性がある木材の動きに追随できず、ひび割れを起こしてしまう可能性が高いです。
また、無機塗料の種類によっては木材だけでなくガルバリウム鋼板との相性も悪い場合があります。
無機塗料を使用する場合は、壁や屋根材との相性に注意し、無機塗料で塗装できる場所を確認しておくと良いでしょう。
③次回の塗装時に注意が必要
あります。
無機塗料はこんな人におすすめ!!
それでは外壁塗装に無機塗料がおすすめな方とはどのような方でしょうか?
・外壁にコケやカビが発生しやすい場所にお住まいの方(日当たりが良くない立地など)
・外壁が劣化しやすい場所にお住まいの方(海が近くにある(塩害地域)など)
・外観の美観を長持ちさせたい方
・メンテナンスに手間をかけたくない方
・外壁塗装にかける予算に余裕のある方
です。
無機塗料は劣化を防いでくれる成分が配合されているため、高価でも耐候性の高い塗料で施工をしたい方におすすめです。
外壁にコケやカビが発生しやすい、または劣化しやすい場所にお住まいの方は塗装を考える際、建物環境を確認してみましょう。
また、無機塗料は耐用年数が他の塗料に比べて長持ちです。
外壁をきれいな状態のまま長く保ちたい、でもメンテナンスの手間は減らしたいという方にもおすすめです。
デメリットでもご紹介したように、無機塗料は費用が高めです。
ですが、長期間で考えた場合、コストパフォーマンスに優れているため、塗装工事の回数を減らす事が出来ます。
初期投資に余裕のある方は一度無機塗料を考えてみるのも良いと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は無機塗料についてご紹介いたしました。
無機塗料は他の塗料と比べて高価ですが、無機物を配合して作られた次世代の高機能塗料のため、非常にメリットの多い塗料です。
もちろんその反面デメリットもありますが、メリット・デメリットの両方を理解した上で無機塗料の使用を検討してみてはいかがでしょうか。