こんにちは!茨城県筑西市の塗装会社、ライズペイントです。
今現在外壁塗装を検討していらっしゃる方で、塗装方法まで理解されているのは、なかなか外壁塗装を熟知されている方だとお見受けいたしますが、皆さんはどのような施工方法があるかご存知でしょうか?
外壁塗装を行う上で、ローラーを使った手塗り塗装、機械を使った吹き付け塗装、そして刷毛を使った手塗り塗装の3種類があります。
これらのうち、「どれが最適な塗装方法なのか」「一番、長持ちする塗り替えの工法はどれなのか」という疑問をお持ちの方も、いらっしゃるかと思います。
ちまたでは『塗料を厚く塗れるローラー塗装で外壁塗装した方が、その分長持ちしますよ』という業者もいれば、『均一に塗れる吹き付け塗装が安心ですよ』という業者もいます。
両方とも最もらしい意見なので、どちらが本当なのか、素人ではなかなか判断がつきませんよね。
実は、それぞれにメリットとデメリットがあり、正しい施工方法で行えば、その差はほとんどありません。
ただ、それぞれ得意分野があり、外壁材やご自身が望む意匠性や模様などで、最適な塗装方法は変わっていきます。
本記事では、吹き付け塗装の詳しい特徴や他の塗装方法との違い、メリット・デメリットなどを解説します。吹き付け塗装がおすすめなケースも紹介するので、外壁の塗装方法で迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
外壁塗装における吹き付け塗装とは?
今回詳しく説明する吹き付け塗装とは、エアスプレーなどの吹き付け機器を使って、霧状の塗料を壁面に吹き付ける塗装工法のことです。
洋風の家にも和風の家にも自然になじみ、主にモルタル外壁の意匠性の高い仕上げを行う場合によく用いられ、凹凸があり、ザラザラした独特の高級感ある質感に仕上がります。
外壁の塗装方法は他に手塗り塗装があり、種類もローラーを使う場合と、刷毛(ハケ)を使って仕上げる2種類があります。
近年は、モルタル壁の減少とともに、吹き付け塗装よりも実は手塗り塗装が主流です。
しかし吹き付け塗装独特の凹凸は、刷毛やローラーでは再現が困難な場合があるため職人の腕が求められますが、味のある仕上がりやデザインを実現できるため、あえて吹き付け塗装を選ぶこともあるくらい、根強い人気を誇っています。
ローラー塗装との違い
吹き付け工法 | 手塗り工法 | 使用する道具
| スプレーガン | ローラー(もしくはハケ) |
---|---|---|
塗布時の飛散
| 多い(特にエアスプレーガン使用時)
養生の手間が増える | ほとんどない(少ない)
接近している住宅街の家や 細かな箇所に向いている |
施工に必要な時間
| 短い
| 吹き付けに比べて長い |
仕上がり
| 重厚感ある雰囲気・凹凸のある 立体感など、仕上がりが多様 | 表面的・画一的な仕上がりが多い (道具・外壁材によっては一概に言えない) |
厚塗り
| 可能だが塗料によって異なる
| 可能だが塗料によって異なる
|
外壁の凹凸 への対応 | 適している場合が多いが、凹みの 深さや凹凸部の形状によっては ハケとの併用が望ましい | 毛足の長いローラーで塗る場合、凹凸部に 塗料が溜まってしまうため、キレイに 仕上げるにはハケとの併用が望ましい |
吹き付け塗装はローラーに比べて効率よく塗装できますが、大きな機械音や塗料の飛散には注意が必要です。また、刷毛塗りの際に刷毛のみを使って塗装を行うと時間がかかり過ぎてしまうため、ローラー塗装と併用するのが一般的です。刷毛塗りは手作業で丁寧に進めるので仕上がりはキレイですが、吹き付け塗装の独特の凹凸を再現するのは難しい所です。
吹き付け塗装のメリット
まずは、吹き付け塗装のメリットを見ていきましょう。
吹き付け塗装のメリットは3つあります。
①作業スピードが圧倒的に早い
塗料を霧状に噴射してスプレーガンを使用し、一度に広範囲を塗装する吹き付け塗装は、人の手で塗っていくローラー塗装に比べると、圧倒的に施工時間が短いのが特徴です。施工費用は作業時間と比例することも多いため、短時間で作業が済めば、施工費用も比例して抑えられます。
工場や倉庫、マンションの外壁などの広い範囲でも、ムラなく手早く塗ることができるのはもちろん、腕が入らないような狭い隙間も、簡単且つキレイに塗ることができます。広い範囲を安く・手早く塗装したい場合は、吹き付け塗装がオススメです。
養生シートも設置している時間などを短くできるので、効率的な施工が可能です。
②外壁にさまざまな模様がつけられる(凹凸と立体感のある模様など)
飛沫で塗装する吹き付け塗装は、凹凸のある外壁にもムラなくキレイに、バリエーションのある魅力的な塗装をすることができます。
ローラーでの塗装は凹凸の間の隙間をうまく塗れないことも多く、複雑な独特の質感は、吹き付け塗装だからこそできるデザインです。
凹凸とした複雑な模様や立体感のある表面の外壁には、吹き付け塗装が向くでしょう。
重厚感のある雰囲気など、仕上がりの良く、色々な工夫ができます。
③低コスト
吹き付け塗装は施工にかかる時間が短く、塗装に携わる人員が少なくすむため、人件費を削減できるので施工費用を抑えられるでしょう。
飛沫が飛びやすいので養生には手間がかかりますが、一般的にはローラー工法よりも工事費が低く抑えられるとされています。
施工場所が狭いところでも作業しやすく、逆に広範囲でも噴射によりスムーズに塗装が可能なのもメリットです。スピーディーで安い外壁塗装を求めているなら、吹き付け塗装を検討してみましょう。
吹き付け塗装のデメリット
次に、吹き付け塗装のデメリットを確認しましょう。
吹き付け塗装には、主に4つのデメリットがあります。
①塗料が周辺に飛散しやすいため、使用する塗料の量が多くなる
吹き付け塗装はスプレーガンで塗料を霧状にするため、養生をしていても塗料が近所に飛散しやすいというデメリットがあります。
近所の家や車を汚してしまう可能性があるので、住宅が密集している地域は吹き付け塗装に向きません。
吹き付け塗装は周辺への塗料の飛散が多いので、同じ面積でもローラーより多くの塗料が必要になります。
一般的には、吹き付け塗装は飛び散る分だけ無駄も多くなるため、ローラーでの塗装に比べて3割ほど多く塗料が必要と言われています。
②塗料の飛散から守るために、養生の手間がかかる
吹き付け塗装は塗料が飛び散りやすく、勢いよく噴射するため、塗る必要のない駐車場や隣家など、近隣に塗料が飛散し外壁以外に付着する恐れがあります。
隣の住宅との間隔が狭い住宅街での施工は、慎重に検討した方がよいでしょう。
そのため、汚れを防ぐために手塗り塗装時よりも入念な養生が必要で、それだけ時間と手間がかかります。
強風の日などは、風に流されやすいため作業を見合わせなくてはならないなど、天候によって作業できる日が限られます。
③塗装時に騒音が発生する
吹き付け塗装は手塗り塗装よりも騒音が発生しやすい工法です。
スプレーガンの利用時に、コンプレッサーという空気を圧縮して塗料を噴射する機械を使う際、人によっては騒音と感じる人もいるため、近隣への配慮が必要です。
工事前に近所に挨拶へ周り、大きな音が発生してしまうことを説明しておきましょう。
近隣トラブルを避けるためにも、事前の準備をしっかりと行うことが大切です。
④職人の技術力に左右されやすい
吹き付け塗装は高級感や重厚感を出せる魅力的な塗装方法ですが、職人の吹き付け塗装の経験や技術が少ない場合、職人の腕によっては仕上がりに塗りムラができてしまうこともあります。近年は吹き付け塗装での施工が減っていることもあり、すべての施工会社に経験豊富な職人がいるとも限りません。
施工を依頼する際は、施工実績数や施工事例を確認し、十分なスキルがあるかチェックしましょう。
業者を決める際には慎重に選定を行い、信頼できると思った業者に依頼するようにしましょう。
吹き付け塗装に向いている事例
①時間や費用を抑えたい場合
外壁塗装にかかる時間や費用を抑えたい場合も、吹き付け塗装を検討すると良いでしょう。
吹き付け塗装は養生の手間がかかるものの、手慣れた職人であればそれほど問題ではありません。
多くの場合、吹き付け塗装は1度に広範囲を塗れるため、ローラーや刷毛での塗装よりも施工時間や費用を抑えることができます。
相場は塗料や仕上げの種類によっても変動しますが、ローラーでの施工費用の目安が、だいたい1平米3,000~5,000円くらいの所、吹き付け塗装のおおよその目安は1平米1,000~3,000円くらいということを考えると、諸経費を含めても、総額ではかなり安いですよね。
ただし、外壁の状態や業者によって異なるので一概には言えません。
吹き付け塗装・手塗り塗装両方の見積もりを、きちんと業者に出してもらい、検討するのが良いでしょう。
②塗装範囲がかなり広い場合
吹き付け塗装は、一般住宅では減少しているものの、マンションや大きな倉庫など、塗装範囲が広い案件では話は別です。
広い壁面を塗装する場合、吹き付け塗装とローラー工法では効率性・スピードが圧倒的に違います。
ですから規模の大きい住宅、広い面積の塗装になるほど工期短縮が顕著になるというのも、上記①と重複する特徴の1つです。
また、周辺に建物が少ない一軒家を塗装したい時も、吹き付け塗装が適しています。
③仕上がりにこだわりがある場合
吹き付け塗装では、工法ごとに仕上がりのタイプを変えられます。
クセのないフラットな仕上がりの手塗りと違って、立体感や重厚感など、デザイン性を表現することができます。どうしてもムラができがちなのは避けられないので、場合によっては刷毛塗りを施す必要がありますが、最近では、無塗装サイディングと呼ばれる、塗装が施されていないサイディングボードに、吹き付けで塗装を仕上げる手法も人気です。化粧サイディングほど一般的ではないため、見た目にオリジナリティが感じられます。塗装済みのサイディングはタイル調やレンガ調など洋風のデザインが多いため、無塗装サイディングは和風や和モダンの家によく合います。
現在の外壁をすでに吹き付け塗装により施工していて、既存のデザインの質感や立体感が気に入っている場合は、リフォームでも吹き付け塗装を採用するとよいでしょう。
違和感なく雰囲気のある仕上がりを、引き続き楽しむことができます。
ローラー工法でもデザイン性の高い仕上がりができるようになってきてはいますが、細部や独特の凹凸や雰囲気、高級感のある仕上がりは、ほかの塗装方法では再現しにくく意匠性が大きく変わってしまう恐れがあり、やはり吹き付け塗装でしかできない、オリジナリティのある雰囲気の仕上がりになります。
仕上がりにこだわりたい人にとって、吹き付け塗装は重要な選択肢と言えるでしょう。
④モルタルやALCパネルを外壁に使用している場合
「塗装をしたい」と思っている壁や天井がモルタルやALCパネルでできており、デザイン性の高い塗装仕上げをしたいのであれば、吹き付け塗装が向いています。外壁材自体の特徴が少ないモルタルやALCパネルは、吹き付け塗装のデザイン性の高さを活かしやすくなります。
吹き付け塗装外壁のメンテナンス方法
①ホースで汚れを流し落とす
ホコリや砂などの軽い汚れなら、ホースで水をかけるだけでも落とすことができます。
外壁の高い部分から水をかけて、上から下へ、汚れを洗い流しましょう。
ただし、通気口や排気口、屋根の裏側である軒裏(軒天)に水をかけてしまうと、住宅や屋根の内部に水が入ってしまう恐れがあるので、大雑把に水をかけないよう注意が必要です。
②水で落ちなかった汚れをスポンジで優しく洗う
排気ガスや雨だれなど、水で流しただけでは落ちない汚れには、スポンジを使って洗いましょう。
外壁用の洗剤や食器用の中性洗剤を含ませて、優しくこすってみてください。
強くこすったり、硬いブラシを使ったりすると、外壁に傷がついてしまう恐れがあるので注意しましょう。
研磨剤の入った洗剤も、傷の原因となるので使用しない方が賢明でしょう。
③専用洗剤でコケやカビを落とす
それでも落ちなかったカビやコケは、カビ・コケ取り剤を使用しましょう。
色々な種類の商品がありますが、汚れのある部分に直接スプレーするタイプが多いです。
濃縮タイプの洗剤の場合は希釈が必要なので、必ず事前に使い方を確認しましょう。
④家庭用高圧洗浄機で洗う
凹凸部分に入り込んだ汚れはスポンジでは落としにくいので、家庭用高圧洗浄機を使用するとよいでしょう。塗装がはがれないよう、必ず弱い水圧からスタートし、水圧を強くし過ぎないようにしてください。
同じ場所に水を当て続けると、塗装がはがれてしまう恐れがあります。
高圧洗浄機は扱いが難しいため、業者に洗浄をお願いするのもおすすめです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は外壁の吹き付け塗装の詳しい特徴や他の塗装方法との違い、メリット・デメリットなどを解説してきましたが、皆さんが外壁塗装のセレクトをされる上で、お役に立ったでしょうか?
外壁塗装を実施する際は、塗装業者に見積書をもらった後にチェックするポイントが多くありますが、施工方法についても明確に提示してもらいましょう。見積書に工法まで記載されていない場合、直接口頭でも良いので、きちんと確認することをオススメします。吹き付け塗装かローラー工法かで、同じ塗料を使用しても耐久性が異なり、次回の塗装サイクルにも影響が出てきます。
住宅技術の変化によって吹き付け塗装の需要は少なくはなって来ているので、大半の業者は外壁塗装を依頼した場合、手塗りを勧めてきます。
それでも吹き付け塗装を希望する人が多い理由は、やはりローラー工法ではできない仕上がり、デザイン性があるからです。ローラー工法でも、その特性を最大限に活かしつつ、意匠性を高める仕上げや工法がないわけではありません。例えばデザイン性に長けている窯業系外装材には、タイル調やレンガ調の風合いをデザインしたタイプのものがあります。
ただ、やはり本物のタイルやレンガの風合いを、完璧に再現するのは難しいことです。
吹き付け塗装が外壁塗装の選択肢としてあり続けるのは、ローラー工法では決して出せない風合いを生み出すことができるからです。
近年は高度な技術を持つ職人が減少しているため、より限られた選択肢となっているかもしれませんが、環境的に問題がなく、意匠やデザインによりこだわってみたい、という人は、ぜひ吹き付け塗装を検討してみてはいかがでしょう。
ライズペイントでは、そんなこだわりの塗装にも、応えられる技術を持った職人がいるので、きっとあなたのご要望にもお応え出来ることと思います。